北海道視察②~べてるの家~
24日は浦河町の「べてるの家」を視察しました。
1983年浦河赤十字病院精神科を退院した人たちが浦河町で暮らすにあたり「町のために何かできることはないか」と考えたことから「ベてるの家」ができました。
町のためにできることとして
- 昆布を売ること・・浦河町の特産品である昆布の袋詰め作業を行っています。視察した当日、近くの浜辺では昆布を干す作業が行われていました。また、高齢者や障がい者のために大人用紙おむつや介護用品の販売をしています。紙おむつは1個から配達します。
- 病気体験の発信・・SST(生活技能訓練)病気の当事者が自分の病気について情報を公開し、お互いの話を聞きながら共感したり話すことで安心したり自信を取り戻します。病気が珍しくない町浦河を目指して、「生きやすい町とはどんな町か」まちづくりの提案をしています。
視察に伺ったときは昆布の袋詰め、さき織りなどの手作業を行っていました。メンバーのこれまでの経験や具合が悪くなった時にどんな症状が出るか、その時にどうするかなど、具体的なお話を聞きました。
ちょうどケースワーカーが来ていてメンバーの相談にのっていました。
私たちを案内してくださったのもメンバーの一人で、管理者・サービス管理責任者の肩書と精神保健福祉士の資格を持っていて、仕事として案内手数料がいくらか支払われている様子でした。
ベてるの家は精神疾患を抱える方々のグループホームが9軒あります。そのうちの一つにお邪魔しました。人によって様々ですが、6~10畳くらいの部屋で一人暮らしをしていました。メンバーの方何人かにどこから来たか聞かれ、小平と答えると「私は西東京」とか「武蔵野市です」「小平は黄色い電車が走ってますね」と小平近辺の方も少なからずいらっしゃるようでした。中にはとても混乱してる方もありましたが、周りはいたって冷静に対応していました。また、話の中にNHKのハートネットTVが幾度か登場しました。新しく始まった福祉関連のこのTV番組を、当事者がよく観ていて高く評価していることがわかりました。
また話し合い、ミーティングをとても大切にしていて月に100回は行うそうです。その中で自分の妄想や幻聴も公開し、共有します。リハビリよりコミュニケーションという理念に基づき、人間関係だけでなく、昆布や手作り品、介護用品などの商売に取り組むための技能訓練も大切なプログラムとして行われています。
視察の最後に活動拠点の一つであるカフェぶらぶらに行きました。古民家風の素敵な建物で、昆布や手作り品、関連書籍が売られていました。時間がなかったのでコーヒーしか飲みませんでしたが、メニューにあった幻聴パフェを食べてみたかったです。
視察が終わって夕飯をいただいたお食事処や泊まったホテルの社長もベてるの家に関わっていて、地域とのつながりをとても大切にしていることがよくわかりました。病気を治そうとするのではなく付き合っていくこと、当事者も周りのスタッフも地域の方々もありのままを受け入れている様子でした。浦河町にとってベてるの家はなくてはならない存在になっていると思います。
小平にもこのようなグループホームがあったらいいなと思います。そのために何をしたらいいのか、具体的に一つづつ取り組んでいきたいと思います。