視察報告(東近江市立図書館)
1月22日~23日、生活者ネットワーク代理人で富山、滋賀、大阪に視察に行ってきました。6カ所の視察をしました。そのうち滋賀県東近江市の図書館施策について報告します。
東近江市立図書館の5つの目標と事業展開について
『課題解決につながる「市民力」「行政力」向上を図る図書館サービス充実事業』について
八日市図書館館長 松野 勝治さんからお話を伺いました。
東近江市は人口約12万人、面積は383㎢で、旧1市6町が合併してできた市です。市立図書館は旧市町ごとに1館ずつ合計7館あり、登録率は61.1%実利用率は24~24%で、職員数は正規職員24名、臨時職員17名で、全員が有資格者です。2校に1人配置されている学校図書館司書との連携もとっているそうです。
東近江市図書館は5つの目標
1、豊かな暮らしにつながるための確かな情報を届けます。
2、人と本、人と人との出会いの場をつくります。
3、一人ひとりの居場所・憩いの場を保障します。
4、思いやりあふれる街づくりに役立ちます。
5、市民とともに育ち、市民が育てる図書館を目指します。
を掲げています。
それぞれの地域にある図書館ごとに地域の特色や特性などからテーマをもち、積極的収集分野を設定しています。テーマは、環境、食と農、三方よし・近江商人、芸術・映像、健康医療情報、アジア・国際交流などで、より専門的な蔵書を揃えています。
職員は情報収集とその資料と市民をつなぐプロとして研さんを積み、地域との関係をより深めるために各イベントを企画したり参加したりしていま
す。また、図書館は地域のひろばとして、居場所の機能を大切にするために滞在型の施設として環境整備をしています。八日市図書館には2階のオープンスペースにおしゃべりしながらオーガニックコーヒーが飲める喫茶コーナーがありました(地元の方が焼いた器を使ってることにも感動しました。1階の書架コーナーにピアノが置いてあるのにも驚きました。)。
また、認知症の方へ的確に対応できるよう職員は認知症サポーターです。
5つの目標や地域課題を各館のテーマとして掲げていることから、市民の力をとても信頼しているなと感じました。聞くと、もともと琵琶湖の石けん運動など市民活動が盛んな土地柄だとのこと。小平市も図書館が充実しており、市民活動もとても盛んなので協働でまちづくりができるポテンシャルは充分あると感じました。今後、小平市図書館の職員体制、情報の収集・管理・提供、ひろばとしての環境づくりなどを通して市民とともにシチズンシップ教育の場としても機能が発揮できるよう、提案していきたいと思いました。