井戸をもっと活用できるように

 6月20日 「小平井戸の会」キックオフ会議が中央公民館で行われました。この会の設立趣意は、『近い将来、高い確率で発生が予想される多摩地区の直下型地震に備えて、市民の「日常生活の質」を守ることを基本理念に、誰もが近場で生活用水を容易に入手できる、「井戸のある住環境」の実現を目指す』です。
 代表の金子さんは、阪神淡路大震災で、被災地の住宅や避難所のトイレで汚物があふれ出したという悲惨な状況を知り、小平でも今のままでは同じことが起こる。生活用水確保のために井戸をもっと活用しようと、この会を立ち上げました。
 現在ある小平の震災井戸は81か所で、1井戸あたり1070もの世帯がお世話になる計算になります。生活用水はとてもたくさん要ります。先にもお話しした、私が経験した長崎大水害は、7月23日真夏の暑いときにおこりました。高校生だった私は、復旧作業に行きました。家に帰っても水が出ないので、お風呂は少し離れた友達のお宅で借り、ドロドロの体育着と制服は、近所の人に教えてもらって、川に洗濯に行きました(上流からお米をとぐ、野菜を洗う、食器をすすぐ、洗濯すすぎ、子どもの水浴、洗濯石鹸洗い、となっていました!)。
 給水車にも水をもらいに行きましたが、人が持てる量は限られていて、飲んだり、調理に使う分を運ぶのが精一杯です。せめてバケツに1杯でも生活用水があったら清潔が保たれ、とても助かると思います。私の家のトイレは当時汲み取り式だったので、「水洗だったら大変だったね」と話していたのをおぼえています。
 災害に遭った時は一人の力ではできないことがたくさんあります。協力し合える状況をつくっておくことが大切です。このことは防災・減災のためだけでなく、普段の生活も豊かにすると思います。井戸がそばにあるのはとても心強いです。本当の井戸端会議もしてみたいなと思っています。